今年は梅雨らしい雨が降りますね。
早くこのジメジメした季節が終わって夏になってほしい・・・
こんにちは。しほこです。
私は夏生まれ!
暑いのが得意というわけではないけど、ビールが美味しい夏は大好きな季節です。
そして夏といえば怖い話。
今日は私が体験した身の毛もよだつ、夏の怖い話をしていこうと思います。
そう、あれは数年前の暑い夏の日のことである。
仕事を終え帰宅した私は、洗濯物をベランダから取り込み畳んでいた。
いつも通り、順調に洗濯物を畳んでいたのだが、
ここで問題が発生する・・・
そう、本来なら自分しか居るはずのない一人暮らしの部屋。
だが確かに気配を感じたのである。
茶色いフォルム、長い触覚、素早い動き、暖かい季節に活動が活発になる、
イニシャル「G」の気配を・・・・・
しばらく固まる私・・・
どうやら「G」は洗濯物と一緒に侵入した様子であった。
私と目が合うと「G」は私をあざ笑うかのように、天井へ移動したのである。
この時私は社会人2年目。
田舎町から東京へ出てきて、憧れの一人暮らしを始めて2年が経っていた。
仕事に追われながらも、平穏で充実した一人暮らしを送っていた。
田舎の実家では時々「G」が出没したが、ここ2年間はまるで存在を忘れていた。
そんな中、初めて「G」の侵入を許してしまったのである。
つまり、この家には「G」と戦うアイテムが一つもない状態なのである。ゴキジェットはもちろん、「G」つぶせそうな雑誌や新聞もない。かろうじて明日の会社のプレゼンで使用する会議資料の書類が使えそうだが、それはもちろん選択肢として却下だった。
・・・・・・
どうしよう。
とりあえず、誰かにこの危機的状況を伝えたい。
田舎育ちの私はわりと虫に強い女子に育っていた。
蝉もバッタも全然触れる。
だが「G」は苦手である。
気合を入れれば潰せるが、できれば誰かに助けてほしい。
私は当時付き合っていた彼氏(現在の旦那)にメールを送った。
私:やばい!!「G」が洗濯物と一緒に入ってきちゃった!今、天井にいる!「G」が降りてきたら、何かで潰さなきゃ(泣)
すると彼から頼もしい返信が返ってきた。
彼:大丈夫?俺が片付けようか?
私は、早く「G」を片付けたいとも思ったが、「G」は天井にいて手出し出来ない。
ここは、「G」を見失わないように見張りながら、女の子らしく彼に「G」を片付けてもらおう。
なんて頼もしいのだ。持つべきものは彼氏である。
きっとすぐに「G」を潰してくれるであろう。
そして、彼が私の家に到着。
この間に見張っていた「G」は天井から布団の下へ移動していた。
さあ、彼氏よ。早く「G」を片付けてくれ。
そんな私の心とは裏腹に
彼は思いもよらない行動にでる。
・・・何故かお湯を沸かし始めたのである。
戸惑う私・・・
私:何でお湯なんか沸かすの?はやく潰してよ!
すると彼はこう言い放った。
・・・・・・・
・・・・・・・・・理解に苦しむ。
確かに熱湯をかければ大抵の虫は死ぬであろう。
しかし、ここは私の部屋。カーペットだって敷いてある。そこにいる「G」に熱湯をかけるということは、「G」にかけられたお湯が床一面に広がるということである。
なぜ、単純に潰してくれないのだ。
私は早く「G」を潰してもらいたい。
そして、わたしは悟った。
・・・そういえば、東京育ちの彼は私よりも虫が苦手だった。
そんな彼が「G」をスマートに潰せるわけがないのである。
だが、彼は私のためにやる気満々(Gにお湯をぶっかける気)である。
どうにかして阻止したい。
いっそ、私が普通に潰してしまいたい。(明日の会議資料の紙だとしても)
汚れるのが紙で済むのならそれでいい・・・。
だが、そんな事をしたらわざわざお湯を沸かしてスタンバイしている彼の面目は丸潰れである。
仕方がない。
彼はわざわざ私のために仕事帰りに「G」を片付けに来てくれたのだ。
「G」のお湯が部屋にぶちまけられるのを受け入れよう・・・
そう思った、その時。
・・・・・!?
布団をめくっても「G」の姿が見あたらない。
戸惑う彼。
「G」を見失ったのである。
しかし、私はこのチャンスを見逃さない。
私:仕方がないから、ゴキブリホイホイ買ってきて仕掛けよう?
彼も、この状況にはゴキブリホイホイの案を受け入れた。
二人でドラッグストアへ行き、ゴキブリホイホイを手に入れ、帰宅した。
これで彼のプライドを傷つけることなく「G」を倒せる。
万事OKである。
私は意気揚々と玄関のドアを開け、手を洗いに洗面所へ向かった。
その時である。
私はこの瞬間の感覚をおそらく一生忘れない。
いや、忘れることが出来ない・・・
背筋が一瞬で固まり、身動きがとれなくなった。
そして私の体の全神経が一点に集中した。
・・・・・私の足の裏に(しかも土踏まずの場所)!!!!
人間は本気で恐怖を感じると声も出ないと知った瞬間である。
おそらく、「G」を踏んでいた時間は1,2秒だったはずだが、数十秒にも感じられた。
私は声にならない声をあげながら、彼に、衝撃の事実を伝えることとなった。
彼が洗面所へ向かうと、潰れた「G」が床にいた。
私は今でも、たまにこの時を思い出す。
なかなか貴重な夏の怖い話である。